干潟のカニ
干潟にカニが ただ一人
大きなはさみで 潮招き
水平線を 見つめてる
叫びが 波間にもれぬよう
口に砂粒 つめこんで
孤独を甲羅に 閉じこめる
干潟のカニは ただ一人
たった一人の 生き残り
山が滅んで 行くときに
人は海へと 逃げてきた
海が滅び 始めると
人は 無様に死んでいった
干潟のカニは 山のカニ
山の草木に 守られて
お山の水と 海の水
綺麗になると 知っていた
年に一回 海へきて
月夜の晩に 卵産む
干潟のカニは 波打ち際で
汚れた海に 卵を産んだ
魚も死んだ この海で
元気な子どもが 育つよう
口の砂粒 吐き出して
思いを込めて 叫び声
干潟にカニが ただ一人
水平線を 見つめてる
遠い沖へと 広がった
卵の運命 海に託し
緑が消えた 大地の彼方
山へと再び 旅立った
干潟のカニは ただ一人
遠い山へと 旅立った
【一言】
なんでも無いことのようだけど、森の働きが川や湖水はもとより海水まで浄化しているのです。
多分縄文時代以前から人はそのことを知り、代々、森や海辺の林を大切にしてきました。
その残された記憶の一つが、現在滅びかけている「鎮守の森」です。
そして、今、文明人といわれる我々が・何をしているか・・オッカネエ・・・2003.06.12.UP