ぴえろろ ぴえろ

今宵は宴だ 結婚式さ
テント広場に かがり火たいて
一座が朝まで 集うのさ
花婿 人気のブランコ乗りで
花嫁 評判の白馬の騎手だ
おいらは ピエロさ 狂言回し
酸いも甘いも哀しみさえも 厚い化粧に塗りこめて
お客の笑いを誘うのさ
 
 燃えるかがり火 静かに離れ
 広場の隅の ブランコに
 腰掛け 揺れる空見上げ 
 ピエロ笛吹く
 ぴえろろ ひゅうひゅっ
 昏らーい空に 月ひとつ

気づいたときには サーカス暮らし
ブランコ 乗馬 綱渡り
小さなころから 鍛えられ
一時は 人気のブランコのりで
その後は ならした 曲乗り名人
今では ピエロさ 何でもこなす
うぶな娘に乗馬を教え 恋の炎に火つけたつもり
ところがどっこい 振られちまった

 揺れるかがり火 ひっそり離れ
 テントに戻り天窓を
 見上げて深く 吐息して
 ピエロ笛吹く
 ぴえろろ ひゅうひゅっ
 四角い空に 星ひとつ

振られちまったら 仕方がないさ
今もブランコで ならしていれば
今夜の花婿は おれだった
ここは人気の 二人にまかせ
どこかの町の サーカス団で
どっこい イチから出なおしだ
酸いも甘いも哀しみさえも 厚い化粧に塗りこめて
人生修行は まだ続く

 つのる思いに 背を向けて
 町のはずれで 馬車に乗り
 朝焼け空に 揺られながら
 ピエロ笛吹く
 ぴえろろ ひゅうひゅっ
 まーるい空に 夢ひとつ

 

2003.11.18.up