原人の歩み

作詩    齋 高吉
画家    ユーシャ

大高原を風が抜ける

ブンガ サッカ
・ ・  ・
ウンガ サッカ
・ ・  ・
ブンガ サッカ
・ ・  ・
ウンガ サッカ
・ ・  ・
ブンガ サッカ
ビヨーン
ウンガ サッカ
       ビビヨーン
 
オレは原人  オケラッチ
ここはファイッド大高原
恐竜どもが 群れ集う
我がオケラッチの狩猟場だ
 

ブンガ サッカ
・ ・  ・
ウンガ サッカ
・ ・  ・
 
大高原に 朝日が昇り
大地を真っ赤に 染めていく
赤い大地のど真ん中に ディメトロドンを見つけたゼーイ
広げた背びれに 太陽熱 吸って
ノホホン ノホホン のったりと
水場へ向かう ディメトロドン
あいつを一頭 やっつけりゃ
オレたち一家の ふたつき分の
肉がゴッチャリ 手に入る
 
ここ半年は放浪の日々
痩せた大地で 獲物は捕れず
家族の口に 入ったものは
大河のほとりで とらまえた
プロテロスクス 一頭と
ゴキブリ三匹 イナゴが七匹
良くぞ生きのびてきたもんだ
夢にまで見た伝説の 大高原に ついに来た
腹ペコ オレたち一族は
最後の力をふりしぼり 
雄たけび上げて 追い立てる
 
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー
アリ ヤ リヤー
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー
アリ ヤ リヤー
 
この高原の向こうには オレたち一家がヨロバイ上った
高くて険しい 崖がある
追い落とすのに 丁度良い
手ごろな谷が ポッカリと
そっちこっちに 口開く
ディメトの野郎が 止まらぬように
家族全員  ゆんづる鳴らし
蒼穹の下で 追い立てる
 
ビヨーン  ビビヨーン
ビヨーン  ビビヨーン
 
ディメトロドンが振り返り
挑みかかろうと 身構えりゃ
オレたちゃ 雄たけび ゆんづる鳴らす
 
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー
アリ ヤ リヤー
ビビ ヨンヨーン
 
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー
アリ ヤ リヤー
ビビ ヨンヨーン
 
オレの家族は 今十人
オレと女房とガキ六人 それにジイサとバアチャンだ
今年の夏ごろ生まれるはずの
ガキは女房の腹の中
 
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー
アリ ヤ リヤー
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー
アリ ヤ リヤー
 
ディメトロドンを追い詰めて
崖下に ドッと突き落とし
石をぶつけて やっつけて
崖滑り降りて 腹を割き
真っ先に レバーを引き出した
 
ジイサとバアチャとガキどもに
やわらかいレバーを 取り分けて
オレとカカアは モモ肉を
ガッツガッツと 食らうのさ
 
やっと家族の十人が 腹を満たした
その時に
ブラキラプトルが 群れてきた
狡猾無残な コイツラにゃ
ドッコイ 勝てるものじゃねー
 
命あっての ものだねと
惜しいが 肉を打ち捨てて
オレタチャ 崖をよじ登り
トット トットと
逃げ出した
 
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー
       トットトット トッ トッ ト
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー
トットトット トッ トッ ト

やっと逃げ延び 一息ついて
空の高みを 眺めれば
翼を伸ばした 翼手竜が
ノンビリ 高みの見物だ
うらやましいぜ 何時の日か
オイラも 空を飛んでやる
空から ベロキの屠ったえさを
急降下して 奪い取る
さぞかし気持ち よかんべな
 
時がたつのは 早いもの
大高原を風が抜ける
 
西の大空 真っ赤に染めて
ドンブラズーコン 日が沈む
東の空に どでかい月が
ユッタリマッタリ お出ましだ
 
オレたち家族は 木の上で
カエルの声を 聞きながら
肩寄せ合って ひざを抱き
ベロキに取られた 肉塊を
思い浮かべて 夢に見る
 
大高原を風が抜ける
 
ウンガサッカ
・ ・  ・
ブンガサッカ
・ ・  ・
ウンガサッカ
・ ・  ・
ブンガサッカ
・ ・  ・
    ビ ヨ ヨーン
 
【読者の皆様へ】
恐竜時代に人類はいなかった!? 人類はいませんでした。原人はいたのです。
原人はどんな姿だったかって? 化石が無いから判らんよ。
この話には続きがあります。いずれまた・・・
ユーシャは、今、個展の準備で忙しい。九月末に個展が終ってから、新しい画を書いてもらいます。それまでは私の在庫品で・・・
ところで
ブンガ サッカビー ウンガ サッカビー  アリ ヤ リヤー
には、原始的なメロディーがつけてあります。聞きたい方は、生ビール大ジョッキ呑み放題でお聞かせします。